Berlin



2003年のイースターホリデーは、オットの本社から国外へ出ることを控えるよう言われていたので、
ドイツも最後だろうし、せっかくのベンツも最後だから、ドイツの首都・ベルリンへ車で出かけることにしました。
片道600kmのドライブです。
私たち夫婦も、ぽんぽこも車好き。ぽんぽこは車内で退屈がるときはありますが、私が隣に乗っている限りはだいたい大丈夫。
というわけで、旅行前に熱が出ないように注意し、いよいよ出発当日となりました。

飛行機とは違い、時間に制限されないので、特別急ぐこともなく準備を進めました。

当日、私は朝5時15分起床。持参するおにぎりやサンドイッチの準備をしました。とっころが、前の晩にオットとぽんぽこが夜更かしをしたらしく、コップやらお皿の洗い物がキッチンに並んでおり、それらを片付けるのに時間がかかりました。
私は朝が早いからと前日、早々にベッドに入ったのですが、オットとぽんぽこは遅くまで何をしていたのか・・・。
当然、彼らは起きる気配もなく、予定より40分遅い6時40分出発となりました。

まだ夜明け前だったので、車もほとんどなくアウトバーンをガンガン飛ばして行きました。
ぽんぽこもさすがに寝不足だったせいか、すぐに車の中で寝てしまい、途中で一度起きたのですが、ベルリンに着くまでほとんど寝ていました。それってラクなことはラクなのですが、午後にはホテルで休みたい私たちにとって、ぽんぽこはすでに絶好調なのですから相手をするのが大変。ホテルでお昼寝をしたいのに・・・。

やはりイースター。途中から渋滞になってしまいました。ちょっぴりガソリンの量が気になったので、適当なところで高速道路を下り、休憩。
日本だと「道路交通情報」なるものが流れますが、こちらは当然そんなものなどなく、「どこまで続くんだぁ〜、この渋滞・・・」って感じでした。自然渋滞する中で、ボケッとしてて事故っちゃった・・・という光景に遭遇。あぁ、せっかくのホリデーが・・・。
渋滞の原因は、道路工事のせいで道幅が狭くなり片側2車線だったことのようです。それが延々と続いているものですから、アウトバーンに慣れたドライバーにとってはスピードを落とさざるをえず、渋滞になってしまったもよう・・・。どちらにしてもいつもより車の量は多く、反対車線(南方面)は、こちらとは比べものにならないほどでした。

ベルリンに近づくにつれ、旧東ドイツの中に入るにつれ、ちょっと雲行きが怪しくなってきました。そして見たことのあるような風景。
そうなんです!以前住んでいたポーランドのティヒからカトヴィッチェに行く風景とソックリ。なんで?なんで?なんで?
東ドイツってソ連の支配下にあったのを思い出し、当然といえば当然のことなのでしょうけど、ロマンティック街道・ミュンヘンのドイツしか知らない私たち夫婦にしてみれば、「ここってドイツ?ポーランドに入っちゃったんじゃない?」と思うばかりでした。

午後2時過ぎ、ベルリン市内に入りました。「えーー、ここってポーランドだよ、チェコだよ」の連発。
昼食を取るのに車を降りたのですが、感じるのは「ドイツじゃないみたい」と思うばかり。
まっすぐに伸びる太い道路は、「ロシア」にいるみたいでした。なんか気持ち悪かった・・・。

私たちってバカチン??
私たち夫婦は自慢じゃないですが、思い込みの激しいところがあります。その勘違いからショックを受けることもしばしば。
ただの「常識知らず」なだけなのです。
今回も、その思い込みの激しい勘違いに気が付きました・・・。事実はオットのローカルスタッフが教えてくれたのです。
それを最初に聞いたとき、私は理解できませんでした、「こいつ、何をしゃべってんだか・・・」。それから数分後、「えっ?それってこういうこと??」と。オットより私のほうが、もっとバカチンだったわけです。

その勘違いというのは、『ベルリンの壁』に対する勘違い
ベルリンの壁が崩壊したのは、1989年11月。私もニュースで見ていました。なんだかよくわからない「独裁政治」や、自由のない生活、何もかも閉ざされた国々。亡命する人たちのドキュメンタリー番組などを見て、「世界にこんなところが今だにあったなんて・・・」と思ったものです。

で、このベルリンの壁なのですが、オットも私も、この壁はベルリンを中心にずーーーっと建てられてて、それこそドイツの上下というか南北に縦断して作られているものとばかり思っていました。意味がわかりますか?この壁を境に西ドイツ、東ドイツに分かれているものとばかり思っていたのです。
とっころが、ローカルスタッフいわく、ベルリンはまわりを川に囲まれた島になっており、その中心に壁が築かれたそうです。
西側はアメリカ、イギリス、フランスが占領、東側はソ連が占領。
で、まわりの川の外側はすべてソ連領内であり、東ドイツと西ドイツの国境はもっと西側にあったそうな。ですので「西ベルリン」というのは東ドイツの中にある陸の孤島だったのです。
以前は西ドイツの人間が西ベルリンに行くとき、東ドイツ領内を通らなくてはいけないので、特別なビザが必要だったんですって。。
ご存知でした??オットも私も全然知らなくて目からウロコ??
常識なの?これって?(あとで私の父にそのことを話したら、『お前、バカだ』と一言・・・トホホ)。

以下、太い文字部分のホテルや、観光地、レストランの場所などの詳しい紹介は、最後に列記してありますので、ご参考になさってください。
1日目

果てさて、無事にホテルに到着。オットは約6時間の運転でバテていました。
私も眠かったのですが、ぽんぽこはずっと車内で寝ていたので元気100倍。お昼ご飯もいっぱい食べたので、そんなホテルの狭い部屋にじっとしていられるわけがなく、私はぽんぽこを連れて、すぐ近くにある「水族館」に連れて行きました。
これだから母親って休めないのよね・・・。

ひょえー、外はものすっごく寒くて弱りました。
水族館の入り口は混んでいて、子連れ家族も多かったです。
館内は特別なものもなく、ごく普通の感じでした。それでもぽんぽこは小さいお魚や、きれいな色のお魚に夢中。大きなお魚が彼女の目の前を通ったとき、ビックリして「こわいぃぃーーー!!」と怖がったりして、見ている私はおもしろかったです。
ワニや大トカゲもいたのですが、顔つきが怖かったのか、ぽんぽこは泣きそうになりながら逃げていました。このっ、臆病者めがっ!!

外はとても寒くてお散歩する気分にどうしてもなれず、だからと言って、早くホテルに戻ればオットは目を覚ましてしまうし(最低でも2時間は留守にしてないと)、ピューピューと冷たい風吹く中を、トボトボと歩いていました。
すると途中にケンタッキーがあり(ミュンヘンにはたぶんないと思う)、その横にショッピング・コンプレックスになっている建物がありました。レストランやカフェ以外は閉店なのですが、中に入ってみると、噴水があったりして、屋内をお散歩できそうな?感じ。
しばらくぽんぽこを放牧??していました。彼女はウィンドーショッピングが大好きで、あちこちのお店のショーウィンドにくぎ付け。
なんでこんなに好きなんだろう??
そうこうしているうちに、あっという間に2時間がたち、ホテルに戻りました。
オットはまだ眠っていたようです。

夜は「大都会」という日本食レストランへ。
黒背広を来た日本人男性がテーブルに案内してくれたのですが、態度の悪さにかなり不満を感じた私たち。
「態度悪いんだよ!!」と、オットとふたりして小さい声で怒鳴って?いました(笑)。
前回のバルセロナでの旅行で、すっかり欧米タイプの食事が苦手になっていたので、ベルリン滞在中、行ったのは中華レストランと日本食レストランだけでした。でも久しぶりに食べる枝豆はうまかった(枝豆で喜ぶな!!って感じですよね)。
ぽんぽこも、日本版焼き鳥に大満足。目の前でお肉を焼いてくれるお姉さんに「すごいねぇ、じょうずぅ」なんて言って褒めまくっていました。

私もついつい気分よく、ホテルに戻ってからも赤ワインを飲みつづけ、そのまま酔いつぶれてしまいました。
たまには良いんじゃなぁい??と、とっても自分に甘い私でした。



2日目
前日は何も観光ができなかったので、まずは午前中は大人の時間、午後はぽんぽこの時間ということで割り当てました。

最初に出かけたのは、ドイツ連邦議会議事堂
ガイドブックには「★★★」だったので、「これは見なくては!!」と思い、張り切って出かけたところ、イースターっていつもこうなのよねぇ、長・長・長・長蛇の列。まだ9時過ぎだってのに。
あの行列を目にした途端、「あぁ、無理だぁ」ってことになり、表の写真だけ撮って、すぐに次なる目的地へ。
−−−小さい子供を持つと、こういうときの「あきらめ」と「決断」が異常に早くなりました−−−

次に目指したのは、ベルガモン博物館
古代ギリシャのベルガモンで発掘された「ゼウスの大祭壇」は、壮大で驚きました。ぽんぽこと一緒に上ったのですが、2回も往復させられてバテた私。階段の1段の高さがけっこうあってしんどかった。バビロニアのイシュタール門も必見。
日本語解説のCDを無料で貸してくれるので、それを首にかけて見てまわると良いでしょう。ちなみに私たちはぽんぽこがチョロチョロするし、ゆっくり聞く暇もなく、ぽんぽこの「ジュース飲みたい」の一言で、すべてが終了しました・・・トホホ。

博物館の出入り口のある通りには、たくさんの出店が開いていました。「ガラクタ市」です。主に古本が多かったのですが、安っぽい皮のジャンパーや、よくわからない置物、骨董品などなど、いろぉんな品物が売られていました。ポケモンのゲームソフトなんかもあって、ぽんぽこはわけわからず欲しがっていましたけど・・・。
そんな通りをブラブラしているうちに、12時になり、そろそろお昼どき・・・。ぽんぽこも「おなかすいたぁ〜」というので、前日の夜にオットが調べた中華レストランへ行くことにしました。

ずっと食べたかった飲茶をやっているレストランでした。
でも写真付のメニューではなかったので、適当に注文すると、本当にテキトーなものが出てきて、大弱り。
全体的に値段は安くありませんでしたが、味はかなりGood。日本人観光客にもウケるのでは??

たらふく食べた後はお昼寝・・・とはいかないぽんぽこスケジュール。
それからホテル近くにある動物園へ。本命は「パンダちゃん」。
とっころが、パンダもホリデーなのか留守でした。象もキリンも留守でした。動物園に来て、象・キリンを見れなくては意味が全然ない!!
他の動物は見ることができましたが、マイナーなものが多く・・・。
でもミュンヘンにある動物園よりも囲いが低かったので、ぽんぽこの背でも余裕に動物が見ることができ、それは良かったです。

しゃーないので、やぎや羊を触るファミリー牧場みたいなところへ・・・。
20セント玉を入れると1回分の動物のえさが出てくる自動販売機があり、それでえさを購入し、ぽんぽこは生まれて初めてやぎにえさを手から与えました。あげたいのに腰と手が引けるぽんぽこに大笑い!!
でも普段、動物と触れ合うことのないぽんぽこ、良い経験になった様子です。以来、家で動物を飼いたがって仕方ありません(それは私も同じかも)。

夕食は、偶然見つけた韓国・日本食レストランへ。
どうしても「韓国焼肉」が食べたくて・・・。でも、実際に注文して出てきたのは、我が家でやっているような「焼肉」でした。
お寿司は思ったより悪くありませんでした。ネタの良さ、お米の炊き具合などバッチリ。
お値段はローカルに比べれば、もちろん高めですが、自分たちの体のことを考えるとちょうど良いのかも・・・(私たちも年なんですね)。



3日目・最終日
とっても良いお天気。帰宅するにはもったいない感じの日よりでした。
ベルリンを去る前にどうしても一番行ってみたかったところが壁博物館(チェックポイント・チャーリー・ハウス)
ガイドブックでは「★★」と二つだったのですが、なぜか興味を引かれてしまい、ぽんぽこは退屈がるでしょうけど、連れて行くことにしました。
オットはわけわからず私の思うまま??って感じでしたけど。

オットのスタッフが「ベルリンの壁」について教えてくれなければ、この壁博物館に来てもわけわからなかったでしょう。
たくさんの東ベルリンの人たちが西側へ亡命しようと、いろんな画策を練っていたことがよくわかりました。トンネルを掘ったり、気球を飛ばしたり。小さな車のトランクなどに隠れて入ろうとしたり・・・。その当時、本当に使った車などが展示されていました。

壁博物館のあと、ちょっと早かったですがベルリンに別れを告げました。
いつかまた来ることがあるでしょう・・・、そう思いながらミュンヘンに向かう高速道路にのりました。
アウトバーンでオットは初めて時速200kmを出しました。それでも前の車に追いつかないってのがすごいですよね。でも家に着いてみたら、片方の前方ライトが切れてて・・・、200kmも出したからビックリしてブッちぎれたか??
ご苦労さん、オットあーんど、ぽんぽこ。そして我が家の最高級車ベンツ君!!。とっても楽しかったよ。


ベルリンの観光地を見て回りましたが、やはり「ベルリン」に来たのなら、まずは壁にまつわるところを見なくては話にならん!というのが印象でした。町並みを見るのも楽しみのひとつですが、オットも私も、この旅行で一番興味深かったのは、この「壁博物館」でした。そしてドイツという国がいかに近隣の国々に占領されたり、戦場にされたりして嫌な思いをしたことか。
私たちはミュンヘンに住んでいますが、ミュンヘンだけでは「ドイツは語れない」と感じました。と同時に、ミュンヘンはドイツではなく、やはり「バイエルン」なのかも・・・。本当のドイツはベルリンで見たあの風景だったのかもしれません。
最初にドイツへ来たころ「ドイツ人の顔は堅い」とか思いましたが、そんな表情になってしまうのも歴史がそうさせたのでしょうね。
ベルリンに着いた日には「なぁんだ、ポーランドと変わらないじゃん」と、少しがっかりしたのですが、少しづつベルリンを知るにつれ「来て良かった」と思うようになりました。ぽんぽこにとっては理解できない内容でしたが、それでも水族館や動物園へ行ったり、ホテルでの滞在は非日常的で楽しかったようです。

ホテル
Crowne Plaza Berlin City Centre
Numberger Str.65 D-10787
tel (030)210-070
fax (030)213-009
URL www.cp-berlin.com

室内プール、サウナあり。
街の中心部にあり、水族館や動物園も目の前。子連れ家族にとっては便利なロケーションでした。
朝食はいろんな種類のものがあって、良かったです。意外とパンがおいしかった。
部屋はちょっと狭かったですが、湯沸し機やズボンプレスはもちろん、アイロン・アイロン台までありました。
ダブルルームで、1泊129ユーロでした。

日本食レストラン
大都会
Tauentzienstr.9
tel (030)261-8099

オイローパセンターの2階にあります。
鉄板焼き専門店ということで、目の前に大きな鉄板がドデンとあり、落ち着かない。
「見せる」というパフォーマンスがローカルにウケているのかなぁ??
値段はちょっと高め。当然、味はGood。
枝豆を頼んだら、枝豆の両端がカットされて食べやすいように?してあった。
「ここまでする必要ねぇよ!!」とオットは叫んでいました。
ウェイトレスさんの態度はGoodだったが、席に案内した男性の態度が気に入らなかったので、2度と行かない。
日本人は日本人に対して厳しいのだ。

ドイツ連邦議会議事堂
Platz der Republik.1
開館時間 8:00〜24:00



壮大な建物で、外側を見るだけでも圧巻。
それだけに内部も見たかったのですが、ものっすごい長い行列。
とても並ぶ気にもなれず、すぐに諦めました。

ベルガモン博物館
Am Kupfergraben
フラッシュ撮影禁止

ベルリンにある建物は、どれもデカいのが特徴だと感じました。

博物館の入り口

 
左の写真は入り口を入ってすぐのゼウスの祭壇。
右側はバビロニアのイシュタール門と行列通り。
日本語ガイドのCDを無料で貸してくれるので、それを聞きながらゆっくりまわると良いでしょう。

壁博物館(チェックポイント・チャーリー・ハウス)
Friedrichstr.43-45
URL www.mauer-museum.com
年中無休

私のガイドブックは★マークが2つでしたが、私は5つ星をつけたいくらい印象深いところでした。
左の写真は博物館の目の前にある「チェックポイント」で、この場所が東西ベルリンを分けていた場所。
何人もの東ベルリン人が、このチェックポイントを超えようと必死になっていた。
右の写真は、この博物館の外観。入り口はもっと左側にあります。ここにうつっているのは出口の部分。
この出口の横に大きなコンクリートの壁があるのですが、これが本物のベルリンの壁。

  
日本語の説明があるともっと良かったのですが、なんとか写真と英語を照らし合わせて理解しました。
細かいところまではわからず残念でしたが、ベルリンに来たら、ここは絶対に立ち寄るべき。
ショップにはベルリンの壁が記念品として売られているのですが、ちゃっかり私も買ってしまいました。
本物かどうかは??ですけど。



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