*** エディンバラ旅行日記 ***
1998年4月10日から13日まで、ここはイースターホリデーとなり、日本でいうお盆休みに入りました。そこでスコットランドの州都・エディンバラへ行くことにしました。2日前に車を整備に出し、前日に、ひどい雨の中、取りに行ったところ、さんざん待たされた挙げ句に8万円もかかり、なんだかショックでした。

エディンバラへ出発
エディンバラ2日目
エディンバラ3日目





エディンバラへ出発


ルートなどはすべてオットに任せ、私はお泊りグッズを用意し、当日5時起床、5時45分、暗い中を出発しました。車の調子はすこぶる良く、快適に突っ走りました。ローカルの人に聞いたところによると「A1」ルートで行くと良いとか。確かに地図で見ると「A1」をたどると、迷うことなく目的地に着くようになっていました。私のヘタなナビゲーションをしなくてもいいんだなと、ちょっと安心。

走って30分ぐらいたった頃、田舎風景を見ていると、なんだか川の水が多くなっていることにオットが気づき、「こっちも昨日の雨、ひどかったんだね」なんて言ってました。小さい沼が多いのにも気になり始めたころ・・・「A1 CLOSED AHEAD」(A1ルート、この先通行止め)というサイン・・・。

「えっ????」ふたり同時。
「水があふれちゃったのかな」
「でも、他の車はどんどん走っているよ」
「昨日の雨、ひどかったよ」
「でも午後から晴れたじゃん。そんなたいした降りでもなかったし。どうせサインを消し忘れたんじゃないのか?みんな走ってるし」

と、話しているうちに別のルートへ出るサインを見つけました。そっちに曲がろうかと一瞬迷ったのですが、どんどん他の車は走っているので気にせず走行。が、しかし良くまわりを見ると”小さい沼”に見えたのは、実は昨日の雨で水がついてしまったところだったのです。その数の多いこと。そうしているうちに前が詰まり始め、「げっ、やばい」状態。やはり川の水があふれ、道路にまで侵入。タイヤの半分くらいまで水につかり、ゆっくりゆっくり前へ前へ。別のルートへ行けば良かったね。なんて言いながら、なんとか脱出。
「なぁんだ、あれくらいで済んで良かったね。これからは快適、快適」
「本当だね、タイのバンコクかと思っちゃったよ」・・・と、どこまでも明るい私たち。

しかし、まわりの土地は水につかっているところがあまりに多く、警察も出ていました。その後5分もしないうちに、また詰まり始め、詰まるどころか止まってしまい、このあたりに来て焦りがでてきた二人・・・。ちょうど私たちが止まったところは、中央分離帯のないところだったことが幸いし、前の車がいきなりUターンをしたので、私たちもそれに習いました。あと5mも行けば中央分離帯でUターンしたくてもできなくなってしまうのですから。
今思うと、もしあのまま「A1」に残っていたら、エディンバラに行くどころか、車に泊まりだったかもしれません。

「A1」ルートはあきらめ、別のルートで行くことにしました。また私のヘタなナビゲーションをせねばならず、地図とのにらめっこ。北に向かいながら、別の道路で行くことにし、あれこれとルートを変えながら行きました。やはり途中で道路が水浸しになっており、なかなか考えた通りのルートで進むことができませんでした。この地域は本当に雨がひどかったらしく、道を曲がろうにも水浸しで行くことができないところが多かったです。確かにイギリスの天候は変わりやすい。しかも曇りが多く太陽とお目にかかることは少ないです。だから、たいして天気が良いことをいつも期待していません。

なんとか順調に走り始めて30分後、対向車のフロントガラスのところに雪が・・・。
ふたり同時に2回目の「えっ??」。
でももう4月、まさか雪なんて。そのうちチラチラと降り始め、最初のうちは良かったものの、気がつけば、まわりは真っ白の雪景色。すぐに解ける雪だったから良かったです。なんとなく先行きがもっと不安になりだした二人でした。早く高速道路に乗りたい一心で、朝食もまだ取っておらず、お腹は空くし、まわりは真っ白だし、高速道路まであと数マイルあるし、出端をくじかれた旅行となりました。

無事、高速道路に乗り、適当なサービスエリアで休憩を兼ねて、朝食をとることにしました。車から出ると寒くてビックリ。30分ほど休み、いざ出発!!でも天気は雪混じりの大雨で視界が悪く、私は運転することができずに、ずっとオットに任せっきりでした。高速道路をおりて、一般道に入ってから私と交替。ただまっすぐに走ればいいんだけれど、まわりの人はものすごい飛ばすんです。1車線なので後ろを気にしながらの運転は疲れました。それでも100キロくらいは出して運転していたんですけどね。

エディンバラに着いたのは午後4時でした。約10時間もかかっての到着。
疲れたけれど、街並みを見てすべてを忘れました。イギリスにはあちらこちらに「B&B」という朝食だけを出す、民宿のようなところがたくさんあります。「ベッド&ブレックファースト」という意味で、ホテルのように立派ではなく、普通の家で過ごすような感じで、安いし気楽に泊まることができ、バックパッカーには最適の宿です。

私たちが泊まったB&Bは、わりときれいなところで気さくなオバチャンが出迎えてくれました。部屋はきっとオバチャン好みなのでしょう。赤とピンクの花柄模様のカーテンとベッド。小さいテーブルクロスも花柄。赤とピンクだらけでまさに「かわいい」感じの部屋でした。トイレとシャワーがついていてLucky!!たぶん私たちが泊まった部屋にだけ着いていたんだと思います。

少し休憩してから、エディンバラ観光に出かけました。オバチャンに車で行くと停める場所がないだろうからタクシーで行ったほうが良いとのアドバイスを受け、早速タクシーで市街地へ。
一応、観光スポットを見てまわり、でもすごく寒くて大変でした。エディンバラはとても小さな街なので暖かかったら、歩いてまわるのにちょうどいいと思います。写真とビデオを撮るのに精一杯で、あまりゆっくりと見ることができませんでした。そのうちお腹も空いてきて、イタリア料理のお店で夕食をとることにしました。あまりおいしいとはいえないレストランでしたが、カレイの塩焼きはGood。





エディンバラ2日目

朝から天気がよく、朝8時に朝食をとれるということで、すぐに食事をし、今度は車でエディンバラ城へ直行。駐車場もガラガラで、すぐに入ることができました。エディンバラ城は岩山に作ったお城で、城の中のところどころに、いくつもの岩がむきだしになっていました。とにかく高台にあるのと海の風を直接に受け、寒いの何のって!!ひどいものでした。太陽は出ているものの風が強くて、信じられないほどの寒さを体験しました。

お城の内部は、質素な感じがしました。日本語ガイドが流れるCDデッキを借り、それぞれヘッドフォンで聞けるようになっているのですが、あまりの寒さで集中して聞いていられず。ひととおり見てまわり車に戻ることにしました。外に出てみると、なんと駐車場は車と観光バスでいっぱい。早く来て大正解。その後、何でもエリザベス女王が宿泊するという「ホリルード宮殿」に向かったのですが、ここも同様に地味なものでした。宮殿の前で写真を撮ろうとしたら、カメラが全然動かない。
「えっ???」。3回目。
電池がなくなったらしく、カメラ屋さんで買おうにも、どこも閉まってて手に入れることができず。こっちはすぐにお店を閉めてしまうんです。あちこちのスーパーを見たけれど、売っていなくて、結構高い「写ルンです」を購入。あぁ、もったいない。

エディンバラの街並みはすばらしく、私はすっかり気に入り感動しました。すべてが古いけれども重厚で、静かなところで突然車が暴走してきたりするのですが、建物の間に小さなわき道があり、そこを入ると、アパートの入り口になっていたり。なんだか迷路になっているような、とても魅力的なところでした。
物価はロンドンより安かったです。そして紙幣がロンドンと違うんですよ。イングランドのお金もスコットランドのお金も両方使えるのですが、見た瞬間「ロンドンのお金は使えないのかな?」なんて思ったりして。逆にロンドンに戻ってきてから「スコットランドのお金は使えない?」と感じたり。


特に買い物するものもないので、グラスゴーまで足を伸ばすことにしました。工業都市グラスゴー。やはりエディンバラより都会という感じでした。ここでは珍しく高層マンションが数多くあることにびっくりしました。適当なBARに入り、「ローストチキン&チップス」を食べて、別になにもないところだったので、すぐに戻ってきました。このとき、帰り道、私はエディンバラの街中を運転し、良い思い出になりました。

夕食は今日もイタリア料理。他に食べるものがないんです。昨日とは違うお店で、味は最高でした。今まで入ったイタリアンの中で一番おいしかったように思います。値段も前日より安かったし、イタリアンがこんなにおいしく食べられるなんて思ってもみませんでした。疲れてはいたけれど、おいしい料理にありつくことができて、大満足して自分たちの宿泊している「B&B」に帰りました。
とっても疲れていて、オットはシャワーも浴びずにベッドに倒れ込んでいました。
明日はいよいよエディンバラを去る日です。旅行の終わりは淋しい。





エディンバラ3日目

今日はここを離れる日です。旅行の最後の日は、いつも気持ちが落ち込みます。かなり体は疲れているものの、気持ちが緊張しているせいか元気・元気。何しろ片道10時間の遠距離。無理せずに途中で「B&B」で泊まるつもりでゆっくりロンドンに戻ることにしました。なるべくなら、オットの仕事が始まる1日前に帰っていたいところなのですが・・・。

カールトンヒルというエディンバラの丘を登りました。かなり急で、そしてここも寒かった。そこからの眺めは最高で、エディンバラ城も見ることができました。とにかく寒い。ここに着いてから、ずっと寒さに悩まされました。と言うより、私たちは暖かいヨーロッパを知らない、寒いのが当然??

南にくだりながら、リバプールに向かいました。途中で「イギリスの万里の長城」と呼ばれるところがあるとかで、そこを見ることにしました。でもたいした所じゃぁなかった・・・。
そこから高速道路に向けて、地図で近道を探し、さらに南に下りようとした道路が山越えの道でした。その景色のすばらしかったこと!!驚きました。山と丘のセレナーデというのか?遠くの山は真っ白の雪で覆われており、近い手前の丘は緑色で、途中の丘はまだ茶色っぽくて。「未開拓の土地」を見たような、とても不思議な景色に遭遇しました。あのような景色を見たのは、生まれて初めてで、今回の旅行でエディンバラの街並みも良かったですが、この景色が見られたことが何よりも良かったことでした。ビデオに撮ったけれど車の中からだったので、実際に見たようには写っていなくて残念。

イギリスの湖水地方で一泊しようと思い、湖のほうへ車を走らせました。ところが、すっごい観光地だったようで、人の多さにびっくり。それまでは人もいない静かなところばかりだったので、湖水地方で静かに一泊するのもいいかなと楽しみにしていたのが、まるで日本の温泉街。しかもお土産屋さんには、日本語でいろいろと書かれており、ふたりして興ざめ。
無理してでも、今日中にロンドンに戻ることにしました。
でもBARで昼食をとりながら、窓の外を眺めていると、ヨットと、湖、英国人ばかりのBARの中、そしてトム・クルーズの「トップガン」がBGM。すっかりそんな雰囲気に酔ってしまった私たち。
なんてかっこいいところなんだろう〜、これでネイティブに英語でも話せたら・・・。

高速道路に出たところで私と運転を交替し、オットも疲れている様子だったので、ロンドンまで私が運転しようと決心。思ったより順調に走れて、夜10時30分過ぎに無事、家に着くことができました。

遠かったですが、とても印象的なことが多かったです。ツアーで行くよりもずっと思い出に残る、良い旅行になりました。
ふたりとも大満足。

次の日はふたりともグッタリ、動くこともできませんでした。1日早く帰ってきたのが正解で、「やっぱりご飯がおいしいね」なんて言いながら、のんびりと自宅で過ごしました。

イースターホリデーの後、わかったことですが、あの初日の道路が通行止めになってしまった雨は、相当ひどかったらしく、150年ぶりの、とんでもない大雨だったそうです。








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