アメリカに来て、１年半が過ぎた。 だいぶアメリカのシステムにも慣れてきた。でも、初めてのことには、 かなり緊張する。 誰も知らない土地に来て、妊娠し、不安な日々を送りながら、 ホームシックにかかっている気持ちを心の奥底に しまい込んでいた。 ホームシックになんかかかっちゃいけない！ アメリカを楽しまなくちゃ！ 元気な赤ちゃんを産まなくちゃ！ そう、とにかく前向きに過ごしていた。 無事にぼくちゃんが生まれ、産後数ヶ月、お手伝いさんに 助けてもらいながら、動けない体ではあったけれど、 気持ちはとっても明るく、産後ブルーになることなく過ごした。 そんなある日、オットが昔使っていたデジカメを出してきた。 「事務所で使っているデジカメが壊れちゃって。新しいのを 買うまで、これを使おうかと思って」と。 中をみたら、カードが入っており、数枚写真が保存されていた。 なんと、ドイツにいた頃、ぽぽ姫３歳の時の写真・・・。 季節は秋。あたりは紅葉。 ドイツとオーストリア国境近くへ行って、偶然見つけた湖で撮った写真だった。 澄んだ空気に、澄んだ水、青空に、浮き上がった山々。 ヨーロッパ・アルプスがすぐそこに見えていた。 ぽぽ姫は、石を拾って湖に投げている。 オットが、「懐かしい！！あぁ、涙が出そう」なんて 冗談交じりに言った。 その夜、私はぽぽ姫とぼくちゃん、オットが寝た後、 ひとりベッドの中で、号泣した。 「ドイツに戻りたい」 たぶん気がつかないうちに、自分の糸をキキーーッと 引っ張って、過ごしていたんだろう。 それらの写真を見た途端、今まで奥底に眠っていた モノが吹き出た感じ。 「でも、それは不可能なんだから、 今を楽しもう。」 それ以来、気持ちがフッ切れている。 誰かが旅行でヨーロッパに行くと聞けば、 やはり羨ましく感じるが、 いつまでアメリカにいるかわからない。 だから、アメリカ近郊の国々をまわりたいなぁ〜 と思っている。 が、今、現在も、ヨーロッパ方面の旅行ガイドブックは 見ないようにしている。 やっぱ重症かね・・・（笑）。  |
